第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
精神的自由権とは
思想及び良心とは個人の人格的な内面的精神作用であり、このような精神的自由権は個人的価値と社会的価値を有している。さらに思想及び良心の自由は、個人の自律にとって枢要の人権で、かつ立憲民主制の維持保全にとって不可欠なものである。したがって、精神的自由権の保障には、格別の細心の配慮が要請される。
※個人的価値:個人が精神・言論活動を通じて自己の人格を発展させる自己実現
※社会的価値:言論活動によって国民が政治的意思決定に関与し、民主制に資する自己統治
保護範囲
内心の自由の絶対性
国民の思想は、内心の領域にとどまる限り、絶対的に保障される。
沈黙の自由(思想推知の禁止)
国民の思想について、国家権力が露見を強制することは許されない。
(国家権力は、国民が抱く思想を理由として、不利益な取り扱いをしてはならない。)
判断基準
内容中立規制(厳格な合理性)
目的:侵害される人権に対して規制の目的が合理的であるか。
手段:他に選びうる、より制限的でない規制手段が存在するか。